[受験] 「逆転合格」の定義
模試のE判定から合格を勝ち取った生徒は何人も見てきましたが、彼らを「逆転合格」と思ったことはありません。すべきことをしてきた結果、成績の伸びるタイミングが今だったというだけです。
難関校の算数・数学という科目において、一段飛び二段飛びで合格したという生徒は見たことがありません。過去問を解くことで、その学校の入試問題に対応できるのはその実力を持った生徒のみです。
合格体験記は成功した後に振り返って書かれるので、結果として「美化」されています。効率よく努力した印象だけが強調され、その過程における失敗や試行錯誤が省かれています。追い詰められている状況で信じてしまうと、視野が狭く浅くなり大局が見えなくなり、自分の学習スタイルを見失ってしまいます。
大切なことは、生活リズムや精神状態を一定に保ち、焦らず今まで通り抜け落ちている部分を繰り返し再確認していく作業です。こういった勉強をしてきた生徒は、中学受験の結果に関わらず、最終的に大学受験では最難関校の合格を勝ち取っています。
中学受験は正しい勉強の価値観とフォームを身に付ける訓練の場です。“合格”はそのご褒美に勝手についてくるものです。
2025年10月20日 16:00
