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[コラム] 基礎知識はあるが思考力がない

全国学力テストの結果として、「基本的知識は持つが論理的思考や表現力は苦手なので応用力指導に課題」とあります。もう何年も日本教育の課題として繰り返し言われています。
 
論理的思考とは、「物事を筋道立てて考え矛盾のない結論を導き出す能力」です。基礎知識があるのにこの能力がないのは、その訓練がなされていないからです。問題を落ち着いて読み、条件を整理し、図や表を使って情報を視覚化し、「なぜそうなるのか」を繰り返し考えることで論理的思考力は鍛えられます。この過程を楽しむことも大切です。ただし、そのためにはじっくりと考える時間的余裕が必要です。
 
これを阻害するのは入試制度･･･ではありません。それに振り回されている一部の教育制度です。とにかく成績の結果を早く出したがり、すべてを前倒しで詰め込んでいくシステムです。むしろ、「理解する」という“深度”の方がより高みへと上ることができます。さらに、生徒本人の自信の有無はモチベーションにも強い相関関係があります。
何のために勉強するのか、それによってどのような能力を身に付けてほしいのか、そしてどのような学生生活を送ってほしいのか、受験に合格するにもやり方は1つではありません。